鈴木氏が解説!心の問題そのものを激変させたSNS

1.鈴木貞一郎氏がSNSについてどう見ているか?

スマートフォンの爆発的な普及によってSNSが一昔前よりもいっそう身近になり、メリット・デメリットの双方が際立つようになってきました。

メリットで言えば家族や友人・知人との連絡が容易になったことや外回りの仕事など連絡自体が重要な業務に携わっている人にとって、通話が主流だったフィーチャーフォンの時代よりも文字通りスマートなやりとりが可能になったことです。

かつてのチャットのように短い会話形式でやりとりできるSNSは、一般的な電子メールより手軽に利用できる点で、それまでインターネット上のコミュニケーションと縁が遠かった高齢世代の参入も促して世代間の交流も増やしました。

SNSがソーシャル・ネットワーキング・サービスの略称で、どのサイトがそれに属するのかすらわかっていなくても家族や友人に促されるまま、いずれかにアカウント登録をして使い始めている人も少なくないと、専門家の鈴木貞一郎は言及しています。

知り合いとのコミュニケーションツールとして便利に利用するだけはなく、自分の考えや作品を広く世の中に知ってもらいたいと考えていた人にとってもSNSは非常にありがたい場となりました。

2.SNSが普及していることの問題とは?

短文形式で自分の気持ちや主張を書き綴ることができるサイトでは文章の形で手軽にアピールすることができ、写真や動画がメインの場ではスマートフォンで撮ったものをすぐにアップして、自分が見たものや体験したことを多くの人に伝えることが可能になり、自分に合った方法で瞬間ごとの達成感が得られるようになっています。

それまでは自分の周囲のごく限られた人にしか伝えられなかったことや、言葉や文章では表現しきれないことなども広く世界に向けて発信できるようになったことと、それを実感として得られるようになったことは、長い歴史の中で人々の間に共有されてきた「交流」という考え方そのものを激変させることになりました。

問題なのはそのこと自体を人類がまだ受け止め切れていないことと、インターネット上の交流そのものが成熟する時間を待たずして、何の予備知識ももたない幼い世代も当たり前のようにその渦中に放り込まれる時代が来てしまったことです。

大半の大人が新しいコミュニケーションツールに翻弄され、それぞれ重要視されているネットリテラシーやネットマナーという用語自体が指す意味合いや内容が未だに曖昧なままで、何が正しくて何が悪いのか肝心の大人世代が戸惑ったままという現状が続いています。

インターネットを通じて子どもが犯罪に巻き込まれて実害が出ているものがニュースを騒がせるのみで、表立って騒がれていない問題が蓄積されている状態です。

3.ネット上は徹底したルールの整備が世界中で疎かになっている

人間の暮らしを激変させたものの一つが自動車で多くの人が公道を運転するようになった時、いったん起これば死者や重傷者が出る交通事故を防ぐために交通ルールがたちまち整備されましたが、インターネット上のやりとりの場合、物理的な事故によるわかりやすい死亡事故などが起こらないため、徹底したルールの整備が世界中で疎かになっています。

実際にはネットいじめで代表されるように心ない書き込みなどで自殺に追い込まれてしまったり、何気なく掲載した一言が炎上して世間から叩かれるばかりか勤務先からも解雇されてたちまち生活が困窮するなど、生きて行くこと自体が脅かされるようになった人も出てきています。

これらも報道されるような重大な事例の陰で、いくつもの小さな軋轢や確執が生じて、インターネットがなかった時代とはまた違った人付き合いの悩みや、生きづらさを感じている人を増やすことになりました。

「SNS疲れ」と呼ばれる現象が取り沙汰されるようになって久しいものがありますが、現実社会で他者への細やかな気遣いをする人ほどこの状態に陥りやすく、相手の気持ちを読み取ってそれを思いやることに長けた人などは他者の何気ない文章の裏を曲解して自縄自縛状態になるなど、インターネット上ではたちまち居心地の悪さを感じてしまうようになると鈴木貞一郎は注意を促しているのです。

4.鈴木貞一郎氏曰く、今後SNSとどう付き合っていけば良いか?

そういった自らの心情に悩む人はすぐにネット上での交流そのものを停止してしまえば良いのですが、現実での家族・友人とのやりとりや仕事上の連絡手段として利用している人の場合、完全に断ってしまうわけにも行かず、内心深く悩みながら続けて行くことになります。

かつてはそういった心の悩みなども書籍などで先人の知恵に触れることで解決の糸口を見つけるきっかけを得ていた面がありましたが、瞬時のレスなどネット上での息の抜けない交流を要求される時代にあっては、心を落ち着けてじっくり読書をする時間すらなくなっています。

ネットにも有益なアドバイス等が書かれたサイトはいくつもありますが、自分と「つながり」のある人々が書いたものや撮ったものを閲覧した上「いいね」なども付けなくてはならない現状では、まとまった文章を読んで沈思黙考する時間そのものがないに等しい状態です。

スマートフォンの月額料金が下がれば書籍がもう少し売れるようになるといった声もありますが、SNS上での交流が続く限り紙の本を読む人は戻ってこないことが予想されます。