福島第2原子力発電所の復興事業に関与するアトックスの事業内容

◆株式会社アトックスの主な事業内容

株式会社アトックスは、昭和42年4月に株式会社ビル代行内に設置された原子力関連作業部が昭和55年9月1日に分離独立する事によって設立された企業であり、平成5年6月に現在の商号に変更されています。

株式会社アトックスは、原子力発電所保守管理業務や原子燃料サイクル施設関連業務及び放射性廃棄物処理に加え、デコミッシング設備工事や放射性物質RI及び医療事業関連業務を手がけています。

現在は、福島第2原子力発電所の復興事業の一環として滞留水処理や放射線管理に加え、下水処理や環境修復を手掛けている企業としても知られている企業です。

原子力発電所保守管理業務では、放射線管理や放射性廃棄物処理及び施設管理を担っており、原子燃料サイクル施設関連業務ではウラン濃縮設備や再処理施設のメンテナンスに加え、放射性廃棄物埋設施設や中間貯蔵施設及び原子燃料工場の維持管理を行っています。

RI研究施設支援業務では、医療用陽電子断層写真PETの運転及びメンテナンスや放射性物質取扱施設メンテナンスを行い、PET治験製造業務も行っているのが現状です。

放射線管理は、600人を超える放射線取扱資格者が放射線線量率や空気中放射能濃度及び表面放射能汚染密度など放射線の様々な数値を測定し、放射性廃棄物処理では液体と固体の放射性廃棄物の貯蔵体積を極限まで縮小して処理するだけで無く、ベーリング機器やフィルター機器及びラム缶表面検査装置に加え、原子核物理や物質科学などの研究に必要不可欠なタンデム加速器の設計制作なども手掛けています。

タンデム加速器は、縦に馬を2頭並べたと言う意味を持つ一般人は機器の名前すら耳にする事がない機器であり、ペレットチェーンなどに電荷をかける事でイオンを一度では無く2度加速かけるシステム機器です。

タンデム加速器は、作り出されるイオンビームによりエネルギーやイオンの種類及び量を制御出来る事が最大のメリットとされています。

◆福島第2原子力発電所の復興事業にも携わるアトックス

高レベルの放射性廃棄物は、ガラス固体化した高レベル放射性廃棄物をステンレス銅製容器キャニスター内に装填し、発熱量を約3分の1〜約5分の1程度まで冷却する為に30年間〜50年間程度貯蔵しますが、30年〜50年後に最終処分場に移動する事が必須です。

高レベルの放射性廃棄物は、30年〜50年の貯蔵に加えて最終処分場で高レベル放射性廃棄物を眠らせる必要があることを考えると、日本の国土の狭さは最終処分場を建設する上で大きなデメリットであり、一刻も早く高レベルの放射性廃棄物の処理方法を開発しなければならないと痛感してしまいます。

アトックスでは、厚生労働省の省令に定められている1号物質〜5号物質まで取り扱える作業環境測定機関に登録している企業であり、東京大学医学部や神奈川県衛生研究所や財団法人電力中央研究所などの依頼を受けている企業です。

1号物質の鉱物性粉塵は、厚生労働省が定める作業場や工場などが測定対象であり、定期的に6か月に1度作業環境測定士による測定が義務付けられている物質です。

アトックスは、福島第2原子力発電所の復興事業のイメージが非常に強いので一般的に原子力関連専門の企業のイメージがありましたが、医療機関や大学の研究機関など一般的な民間企業の測定も行っていたのは意外でした。

2号物質の電離放射線は、原子や分子を電離する放射線の総称であり、特に人体への悪影響を及ぼす紫外線やエックス線及びγ線などを指しています。

◆原子力関連業務に強い企業のアトックス

原子力発電所では、β線とγ線を発するヨウ素31やセシウム134及びセシウム137に加えβ線を発するストロンチウム90の放射線が漏洩しており、ガイガーミューラー計数管やシンチレータカウンタ及びゲルマニウム半導体検出器などによって計測されているのが現状です。

ガイガーミューラー計数管は、高電圧下の封入ガス内に放射線が侵入するとガスの電離が促進する事を利用した計測機であり、瞬間パルス電流を通電する事で計測出来ます。

半導体検出器は、シリコンやゲルマニウムなどの半導体化合物の固体電離効果を利用した検出器であり、小型化が可能な事から電子式ポケット線量計に応用されている検出方法です。

流石にガイガーミューラー計数管や半導体検出器による測定を実施していると聞くと、アトックスが原子力関連の業務に強い企業と再認識させられます。

3号物質の特定化学物質は、労働安全衛生法施行令の別表に定められている労働者に健康障害を発生させるリスクの高い化学物質であり、4号物質の金属や5号物質の有機溶剤は私達の身近にある物質も測定対象です。

アトックスは、ビル設備等の管理業務の株式会社ビル代行と日本ビルサービス株式会社が企業統合したグローブシップ株式会社の中核企業であり、約50年に及ぶ経験と実績に加え自社による技術開発を駆使して福島第2原子力発電所の復興事業に携わるだけで無く、作業ロボットや新しい技術の導入を試みている企業と言えます。